マルクス主義の革新
カール・コルシュとマルクス主義研究週間

ミヒャエル・ブックミラー編著 青山孝德訳
ISBN 978-4-911530-00-9 C1010 ¥2600E
四六判上製 256頁
定価(本体2600円+税)
スターリニズムとファシズムとの狭間でマルクス主義の可能性を追求した人びと
1923年、ドイツ・ゲーラベルクで開催された「マルクス主義研究週間」は、気鋭のマルクス主義理論家であったコルシュ、ルカーチをはじめゾルゲ、ヴィットフォーゲル、福本和夫らが参加した。フランクフルト学派の起点ともなったこの会合を交点としてコルシュの思想の軌跡をたどり、20世紀初頭に開花しようとした非スターリン主義的マルクス主義の実像を浮き彫りにする。
目次
序 ミヒャエル・ブックミラー
「マルクス主義研究週間一〇〇周年企画」について ペーター・シュルツ
■展示
マルクス主義の革新 カール・コルシュ一八八六―一九六一 構成・文 ミヒャエル・ブックミラー
■講演
マルクス主義の革新 マルクス主義研究週間と批判的社会科学の構築――カール・コルシュ一八八六―一九六一 紹介 ミヒャエル・ブックミラー
身体商品と商品体――ルカーチ・ジェルジの物象化論のアクチュアリティー 『歴史と階級意識』より ヴェルナー・ユング
『歴史と階級意識』と『マルクス主義と哲学』 比較試論 ミヒャエル・ブックミラー
男性マルクス主義者のみか?――ゲーラベルクのマルクス主義研究週間における女性たち ジュディ・スリヴィ
社会研究とスパイ活動との関連について――リヒャルト・ゾルゲとヘーデ・マッシング ウーヴェ・ロスバッハ
著者紹介 ミヒャエル・ブックミラー
政治学者 元ライプニッツ大学(ハノーヴァー)教授 カール・コルシュ全集編者
訳者紹介 青山孝德
1980年、名古屋大学大学院経済学研究科博士課程を単位取得により退学。ドイツ・オーストリア社会思想史研究。K・コルシュ、O・バウアー、K・レンナー等に関する論文の他、訳書にS・ナスコ『カール・レンナー――その蹉跌と再生』(成文社、2019年)、A・フックス『世紀末オーストリア――1867-1918』(昭和堂、2019年)、E・パンツェンベック『一つのドイツの夢』(御茶の水書房、2022年)等がある。